消えることの意味

2023年4月6日

昨日のブログでは音は消えるということでした。

何を意味しているのでしょうか。

消えるというのは、物質的に考えると壊れるなくなるということですが、そこにとらわれるずいると不思議なことです。子どもの頃に見た覚えがあるのは、妖怪のような忍者が、両手の人差し指と中指を立てて顔の前で組むと煙が立ってその場から消えてしまうのでした。そして違うところにいるのです。消えるというより違う場所に移動していました。今でいうワープの様な物ではないかと思います。それでも子ども心には消えることでワクワクしていました。

 

私たちの周りには気をつけてみると消えるものがいくつもありますが、その中でも印象、記憶というものに目を向けてみます。印象も記憶も消えます。消えたままのものもありますが、また出てくるものもあります。

忘れると思い出すということが連続しているのが人生です。そもそもは記憶が消えるということから生じていることです。

その反対は覚えておくということです。昨日の話でいう消えない音の様な物です。今はなんでも覚えている人が優秀という時代ですが、本当は良くないことなのかもしれません。ですが、今は忘れることは良くないことということにされて覚えておくことを教育では奨励します。しかし実際には忘れるから思い出せるのに、そこのところはあまり深追いしない様です。

 

人生も長い目で見れば、どこからかきて、人生を送って、また消えてゆきます。どこから来てどこに消えてゆくのでしょう。前世と死後のことです。彼岸という考え方は昔から日本にはあります。春と秋にあるお彼岸は、向こうに世界から死者たちが帰ってくるのを迎える儀式です。帰って来てもまた帰ってゆきます。こここでもやはり消えます。

最近は死後の世界のことはほとんど普通になっている様です。アンケートを取ってみると相当の数の人が、前世とか死後があると答えます。死ぬとこの世から消えますが、消えた先があると信じる人が増えているのです。

そうなると死んだ後消えてなくならないといけないのに消えていない様な気がするのですがどうでしょう。死んだあとはやはり消えるのだと思うのですが・・。

彼岸は彼岸ですからこの世とは違う法則があるはずなのに、この世をそのまま引きずっているのでないかという気がします。それではずっと覚えておきなさいというのに近いです。音が鳴りっぱなしの様でもあります。

昨日の、音が消えたあとどこへ行くのかという問いにはどの様に答えたらいいのでしょうか。霊界に消えてゆきますと言えば人は面白がってくれそうですが、私は責任が取れない発言なのでその言い方はしません。消えるというのはとても魅力があることなので、もっとポエジーのある言い方とかイメージの膨らむ言い方があると思っていますのでそちらを探したいです。

 

コメントをどうぞ