録音が終わりました
毎日少しづつ書いてゆくつもりでした。しかし録音を終えてホテルに帰ってくるとやはり疲れがたまっていて文章にならないのです。
録音したのは冬の旅から四曲、アヴェマリアなどいままでライアーでは弾かないような曲ばかりでした。別に奇を衒ったものではなくて、今までリサイタルで歌ってきたものを選びました。
ライアーの演奏に合っているものというのも大切な要因でした。しかしライアーに合っているものというのは曖昧な言い方です。個人的な好みが随分反映するところです。
弦で音を出すというところから弦で歌うところにもって行こうとしているのです。これがCDの光シリーズ、ライアーで歌いましょうの楽譜集の願っているところです。
歌は言葉から来ます。言葉のない歌という考え方から、メンデルスゾーンの無言歌ような音楽がありますが、私は音楽が言葉が言いたいことを代弁するというのではなく、ライアーの音が声に近いと考えていますから、ライアーは歌える資質があると考えていてそこからライアーはライアーの持ち味を生かせば、歌に近づくと言うわけです。
この様に話を進めてゆくと、ライアーの音の質が問われます。声が力めば声は硬くなり、潰れますから、出来るだけ力を抜いて歌うことになります。ライアーも同じです。力を抜いたいい音、ここが一番大切なところです。そこから倍音が生まれます。ライアーは倍音の豊かな楽器です。
今回の録音では倍音がとてもきれいに弾けていると、録音されたものを聞いて思いました。楽しみにしてください。
きっとこれからのライアー演奏の参考になるものがあると思います。
きれいにメロディーを弾くというのではなく、あたかも弦が言葉を話すようにという思いで弦に触れました。
三曲ピアノ曲を弾きましたが、その時も気持ちは同じでした。シューベルトは歌に、歌心に音楽の原点があるからです。
十月に発売ですが、一日も早く皆さんに聞いていただきたいものです。