特別な人、特別な世界

2011年8月31日

特別という世界はどういう世界なのだろうか。

わたしは特別な世界に行って、特別な人に会いたいと思う。

 

それで入口を探すことにした。

世の中には、「特別な世界への入り口」と書いてある入口が随分ある。

これにはいささか驚いた。

しかもそこはたいてい人だかりができている。

一つの入り口の前で警備の人を捕まえていろいろと聞いてみた。

警備員は「随分流行があるようです。最近はここが人気ですね」と言っていた。

 

その人だかりをしばらく遠くから眺めていた。

みんな特別な世界に行きたいのだ・・

しばらくぼんやりと人だかりを眺めていた。

みんなよく似ている様な気がして来気持ちが悪くなってきた。

 

家に帰って「どこからトクベツという領域が始まるのか」考え直してみた。

自問しながら、自分でも全然解っていないことに気が付いた。

やたらと、あそこで人だかりを作っていた人たちの顔がちらついている。

 

「トクベツ」という言葉にくすぐられていただけかもしれない。

トクベツにはちょっとした優越感がある。

自分が一回り大きくなったような気もする。

確かに生きて行くのに必要なサプリかもしれない。

俗界を抜けて上等な空間にいる様な気分にさせてくれる。

 

自分はトクベツな人間かもしれないというのは誘惑だろう。

しかしこの誘惑は実に巧みに仕組まれている、そんな気がしてきた。

特別な世界への入り口から 中に入った人たちは一体どうしているのだろう。

特別な世界の住人になったのだろうか。

 

「そんなもの根拠のないものだ」という声がした。

 

特別な人は、ありのままの人、一番普通に見える人。

こんなイメージが突然わたしを包んだ。

 

そして、ますま特別な人に会いたくなった。

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