六枚目のCD
六枚目まで来ました。
今回はこのブログでもすでに予告してありましたように、シューベルトの音楽だけをライアーで弾いて見ました。
選曲までに随分紆余曲折をしました。初めは何曲かのピアノソナタを編曲して弾いてみました。
21番の変ロ長調の第一楽章と第2楽章はライアーで弾いてみると、今までにないシンプルな深さがあって、我ながら感動しながら弾いていて、今年の初めまでは真剣に録音することを考えていたものでした。また20番のイ長調の第2楽章の第2楽章も候補に挙がっていました。この曲は東北大震災の後にコンサートでも機会がある事に弾いいましたから、コンサートなどで聞かれた方もあると思います。14番の小さなイ長調も捨てがたい、ライアー向きの曲だと思って弾いていました。
しかしシューベルトは歌の人です。歌曲の王とも呼ばれています。そしてライアーが歌うに相応しい楽器だと言うことを常に申し上げていることもあり、歌からの選曲の方に段々と傾いてきました。
特にシューベルトの歌のもつ魅力は民族、言語を越えて、世界中の人から愛されているものです。まるで自国の民謡の様に歌われているのですから、そこには何かがあるはずです。そこが最後の選曲の時に決定的な要因になりました。
ところがいざ弾いてみると、言葉がないと言うことからのハンディーを思い知らされました。そのことを通して、逆に言葉の持つ大きな力を再認識したわけですが、そのハンディーを抱えながら、どこまでライアーでシューベルトの歌に迫れるのか、そこに挑戦するのもおもしろいのではと気を取り直し今回の録音までこぎ着けることが出来ました。
シューベルトの偉大なメロディーに胸を借りて、ライアーのもつ魅力を引き出してもらったかなと言うのが、選曲、編曲、録音と仕事を終えて、製品となったCDを聞きながら思うところです。
是非多くの方に聞いて頂きたいものです。
そして遠慮のない感想がいただけたら、CDに向かう原動力となりますので、皆様からお感じになられた感想をいただきたいと願っています。
よろしくお願い致します。