私は私たち
2024年3月16日
イギリスの王様、女王様は、自分のことをIではなくWeと言います。英国国民を代表しているという証なのです。
日本でも天皇陛下は私とはいわずに、正しくは朕と言います。自分一人を指しているのではないからです。
私たちはもちろん私という言い方で自分を表現しているのですが、実態を知ると、自分は一人ではないような気がしてきます。いい人であったり、意地悪であったり、怒りっぽかったり、優しかったりと色々な自分が同居して居ると言ったほうがいいわけですからWeのほうが正しいのではないかという気がしてきます。いろいろな自分を総まとめにするのです。
今はまだ慣れない言い方ですが、自分を一つにまとめるほうが不自然に感じられる日がそのうち来るかもしれません。私と言う言い方は今でも抽象的だと感じることがありますから少しずつ準備をしようと思っています。私らしくと言う言い方も実は危ないもので、自分という幻想に囚われているところがあるのではないかと思っています。
ただ他人とコミュニケーションする時には自分を一つにまとめなければならないので、そこでは抽象的な自分を活用するのでしょうが、そうした対話がそもそも抽象的なものと言っていいのかもしれません。
私達の人間関係と言うのはそんな脆弱なもの上に成り立っているのでしょうか?
人間は人間らしく生きているだけなのかもしれません。
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仲正雄ブログ