心 笑いとユーモアは妙薬

2013年8月24日

私の父は現在92歳です。

今時は「好いお年ですね」位の年齢で、取り立てて高齢と言うほどではない様です。ちなみに友人の祖母は108歳です。

父は今年六月に肺に水がたまり入院、薬で水が引いたものの病院としては「心配だから」と病院にとどまり点滴、胃からの栄養補給などを提案してきました。

父の生命をどうするかを母は真剣に考えたすえ、もう病院の治療は何もしないでいいということで、父を退院させることを決意しました。周囲はその時こぞって「長くて後二週間くらいですね」と言い、父の命の残り少ないことを断言しました。

その時点ですぐに日本に飛べる様に心の準備を始めましたが、父は日増しに元気になり、すでに今日で二カ月がたちます。食欲があり水分補給もしっかりできているため、入院中ひどかった床ずれはすでに完治してしまいました。それには定期的に様子を見に来てくださるお医者さんもびっくりしています。顔の艶もよく、いかにも元気そうなのです。

一週間一度の入浴も楽しみにしています。

 

電話をしたら、今日は夢で昔の同僚とお昼を一緒に食べたらしく、お昼は軽くて言っていつもの半分だけを食べてそのまま寝てしまったのですが、やはり現実にはいつもの半分しか食べていないのですぐにお腹が空いたということでした。父は時計が大好きな人で、目を覚まして、腕時計を見て五時になっているのに気が付き、「お腹が空いてきましたから夕ご飯は早めにお願いします」と世話をしてくれている妹と、付き添っている母にせがんだそうです。

 

退院後も点滴を続けていたのですが、一週間後に寝が入りを打った時に外れてしまい(外してしまい)、今はそのままはずしています。

ミキサーで粉々にされた食べ物ですが、口で咬み、それを呑みこんで、食事をしています。「それが体に一番いいのだ。口で咬んでいる時に排せつの方まで体の中では準備を始めるのだから、咬むことで仲さんはお元気なんですね」と、お医者さんは父の復活ぶりに目を見張っています。

 

時々母に「わたしは今年いっぱい生きられるでしょうか」と聞くそうです。以前私に向かって「わたしの命日は決まりましたか」とうっすら笑って聞いたことがありますが、その時父の顔を見ながらユーモアの力を改めて認識しました。

そんな大それたことを、この場に及んで言えるとは、しかもうっすらと笑みを浮かべるなんて、したたかです。なかなかの余裕です。この余裕が父を、二週間と言う周囲の期待?とは裏腹に、二か月もの間ベッドの中とはいえ生かせているのです。まだ生きそうです。

 

ユーモアと言う薬が効いている、私にはそうとしか考えられません。

 

私自身再生不良性貧血というへんてこな病気を抱えて生きているのですが、意外と元気そうにやっているので周りは「体にいいこと何かしていますか」とよく聞きます。いいことは何もしていないのです。薬が体に合わない体質ですから、薬は飲まないですし、特に健康にいいと言われているものには一切手を出していません。

ただ自分の体が硬く固まってしまうのが、私の健康に一番よくないことは、直観的に解っているので、体が硬くならない様には努力しています。

何がいいのかと言うと、やはりユーモアです。これに尽きます。くそ真面目になったら体はすぐ硬直を始めます。そうすると体の方が狂ってきます。体調が崩れ持病が頭を持ち挙げて来る予感がします。

ユーモアは必ず効きます。のほほんと、ぼんやりと、自分の生きている姿を笑うのです。

よくないのは他人の悪口です。これは必ず体を冷やします。そしてこちこちに固めます。

他人の悪口は体によくないですが、自分に向かって悪口、悪態をつくのは結構面白いですし、体にもいいようです。幸い私は体質的にそういうことは長続きできないようですぐに止めてしまいますが、自分のことを笑ったり、ある時は思いっきり悪口を言うのは決して悪いことではないようです。

それもユーモアの一つだと最近は考えています。

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