続 ユーモア讃

2012年6月14日

ユーモアを賛美したので今度は別ものをと考えたのですが、見つかりませんでした。

現代社会の中で一番必要なものはユーモアですからユーモアのことをもう一度書きます。

 

何がユーモアなのか、ということは整理しにくいものですから、そこから始めましょう。

ユーモアって簡単に言いますが、そもそも何のことを言うのでしょうか。

なんとなく解っているものですが、それにちゃんと、つまり聞いた人が満足行くように答えるのは難しいです。

 

ユーモアというのは徹頭徹尾センスの問題です。

ユーモアのセンスを持ちあわせているのといないのでは180度状況が変わってしまうことがあります。

 

言葉は人を傷つけることがよくあります。

特にユーモアがないと優しい言葉でも人を傷つけているものです。

ユーモアのセンスのある人が同じ言葉を使ったとします。

その言葉は傷つけるどころか、相手の人に勇気を与える言葉として受け止められていたりするのです。

 不思議です。

 

相手を叱る時にユーモアのことがよく見えます。

もちろん子どもを叱るときにもです。

叱る時程ユーモアが必要だからです。

叱る時に感情丸出しだと喧嘩になってしまいますからこれはいただけません。

必要なのはユーモアです。

ユーモアは何をするのかというと、感情を和らげているのです。

 

ユーモアの働きの一つはこの和らげるです。

和らげるというのは「和」の精神ですから、相当高い精神性の表れだと思っています。

ユーモアごときに何ができる、とは思わないでください。

ユーモアを持つには精神修行が必須なのです。

 

今度は精神修行がどういうものか解らないと言われてしまいそうです。

何が精神修行なのでしょうか。

禅道場で座禅することでしょうか。

出家してお寺や修道院にこもることなのでしょうか。

それもいいかもしれませんが、それだけで精神修行になるかどうかは解りません。

恥ずかしいですが、私は経験がないので解りません。

 

私の進める精神修行は人への思いやりです。

思いやれるようになるためにはしっかり思えるようにならないと駄目です。

徹底的に他人のことを思うのです。

散歩をしている時、横にっなった時、ぼんやりしている時にです。

 

先ず好きな人のことを思いだしてください。

ワクワクしてきませんか。

体が軽くなって、ルンルンです。

生きていることがしっかりと肯定できると思います。

 

嫌いな人も是非思いだしてください。

そしてその人のことも心の中に置いてみてください。

なんだか冷たいものが心に入ってきたようです。

その人の方も心の中で実に居心地が悪そうです。

あまり長く思っていると病気になるかもしれませんからほどほどにしてください。

 

そのうち好きな人と嫌いな人の間の違いが小さくなってきます。

それはすごいことなのです。

好きと嫌いが心の中のただの動きに過ぎないことが解って来ます。

そうなって初めて人、他人、相手というのがとても近くに居る存在だと解る様になります。

そこまで来たら、思うとか、思いやるとか改めて言わなくても、体が、心が自然に相手の方を向くようになります。

修行の賜物です。

 

この修行は実生活にとても役に立ちます。

実生活にやくだつからと言って、卑近なものと考えるのは浅薄です。

実生活の中に精神性が宿ると考えるのです。

実生活と精神生活の間に溝があってはならないのです。

 

ユーモアを持っている人は、実生活の中に精神生活が生きている人ということになります。

ユーモアというのは人を笑わせたり、冗談を言ったり、面白おかしいことを言うのとは違うものです。

ユーモアというのは、勿論真面目とは違いますが、そんなにおかしいものではないのです。

心で他人のことを思う練習の中で、だんだんと心の中に育って来るものです。

One Response to “続 ユーモア讃”

  1. june sasamoto より:

    「好きな人と嫌いな人の間の違いが小さくなってきます」
    衝撃を受けました!

    嫌いな人がいました。嫌いで嫌いで、もう顔も喋りも物言いも嫌いで、その人の存在が自分の心をクサクサさせて、ああイヤだ、あの人本当にイヤ。
    毎日毎日その人のことが気になって、辛くて辛くていたある時、あれ?もしかして、今好きな人を思う以上にこの人のこと考えてない?これってまるで好きみたいじゃない?いやーーー!

    そしてその人のことを考えるのをやめました。
    もしかしたら、もうちょっと考えてたら好きになったのか?も?

    でもその人のことは今はそれほど嫌いじゃありません。
    ちょっと苦手なだけで...

    何だか先生の話とずれてしまって申し訳ないです。
    こんなコメントを送信してしまって良いかと悩みつつ、送信ボタンを押します。

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