それでは、芸術とは 天上の音楽のこと
芸術は心のものです。
心を鍛えてくれるものです。
筋肉は運動することで鍛えられます。
心は芸術を感じることで、鍛える第一歩が始まります。
心も鍛えられなければならないのです。
職人的と芸の道と芸術家とを分けたほうが話しが解りやすくなることもありますが、今日はそれ等は一つのものとみなして話します。
私にとって芸術作品というのは何かと言うと、歌が聞こえて来るものです。
音楽のことを言っているのではなく、絵にしても、彫刻にしても、建築にしても、みんな歌が聞こえて来ます。
三段論法を使えば、芸術は心を鍛えてくれるのですから、心は歌で鍛えられるともいえます。
心が喜んでいる時、歌いだします。
心が淋しい時、歌から元気をもらいます。
昔親しくしていた画家が、絵が完成する時、絵が歌いだすと言っていました。
芸術が頭に頼ると、芸術は奇抜さをてらいます。
それはとても知的なもので、心の栄養ではなく頭の栄養です。
頭はそもそも、わかるということを仕事にしていますから、頭の芸術は理解されることを狙っています。
それでは芸術評論家に仕事の場を作ることになってしまいます。
現代芸術の全てがそうだとは思いませんが、現代芸術には頭の産物が随分沢山ある様です。
そこには歌が聞こえて来ません。
理屈と 講釈ばかりが目立ちます。
心があるから人間はお互いに結びついているのです。
心はつなぎの役をしています。自分と他人とをつなぎます。
心が干からびて来ると、人間同士がつながらなくなってしまいます。
孤独にさいなまされてしまいます。
そこでは芸術が求められるのです。
芸術は歌います。
歌を忘れたら芸術が死にます。
芸術がすたれたら心が干からびてしまいます。
心が干からびてしまったら、人間は歌わなくなってしまいます。
心の底から歌う時何かが始まります。
もしかしたら地球も歌っているのかもしれないのです。
地球も一つの芸術作品なのかもしれません。
宇宙もです。
昔の人はそれを天上の音楽と呼んだのです。
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