会話の神秘 その3
2011年2月16日
ゲーテはハイドンの弦楽四重奏が好きだった様です。上等な会話という言い方で絶賛しています。
それではと久しぶりにハイドンの弦楽四重奏を聞いてみました。
なるほどと思うところが沢山ありました。
私個人としては、会話的楽しさの他に、光に満ちている音楽だと改めて感心して聞いていました。
この音楽ジャンルは、ハイドンが作ったといってもいいほどのものですから、ハイドンの精神がいかんなく発揮されています。
パパ、ハイドンといわれるように(たいていは悪口としていわれます)その後に来る深刻な音楽の流れからするとのんびりとしていて、素朴で、楽観的です。しかもロマン派の音楽とは違って自分の心情などはほとんどいわない音楽です。
四つの弦楽器がたくみに絡み合いうところは本当に絶妙で、ゲーテの言葉に頷いてしまいました。
会話というのは不思議な力を持っていて、一人で悶々と考えている時には思いもつかなかったものが、人と話をしているときに降りてきたりします。
そういうときに、他人というのは「確かにもう一人の自分なんだ」と納得するのです。
人と話をするなんて無駄な時間だと思うこともあります。それはまだ半分の自分しか生きていないときにそう思うのでしよう。自分を全開するにはやはり他人が必要だと思います。無駄の様に見えて一番効率のよいものかもしれません。
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