祝福された告別式
先月28日に亡くなりました母、俗名仲叔子、戒名は徳優院歌詠日淑大姉、に沢山の花籠、花束、弔電、メール、お花代をいただき心からお礼申し上げます。
母は村山流という野の花の一輪差しの師範の免許を持っていた人でした。特にお弟子さんを取ることもなかったのですが、お花を愛する心は人一倍で、いつも家のどこかに花が飾ってありました。七年前の父の葬儀の時は全国から送られた沢山の花に埋もれた父を見て幸せそうでした。
この度の葬儀にも多くの方から贈られた花に包まれて、病院から運ばれ我が家で四日間たくさんの色とりどりの花に包まれて過ごしました。皆さんのお心遣いに感謝しながら、喪主として幸せを感じていました。有難うございました。
この四日間の短い間に母の顔が変わるのです。初めの日はまだ病院の疲れを表情に残していたのが、二日目には穏やかになり、そこからはどんどん若くなって行くのです。途中でドイツの家族に写真や動画て最後の母の顔を送ると、「おばあちゃんお嬢さんのようになっている」と言う言葉が返ってきました。話しかけると起き上がってきそうな自然な眠りでした。
皆さんが、母の入院のことを聞きつけると、コロナ禍の中、せっかくドイツから帰って来たのに病院にゆけないから辛いでしょう、悔しいでしょうとお言葉をかけてくださったのですが、豈計らんや、私たちは母が直腸を切り取り人工肛門をつけたため、その処理の講習を直に母の体でしなければならず、全面的に面会謝絶の南共済病院に入って母の元で講習を受けることができました。そのため母と対面ができたのでした。母はいつものユーモアを失わずに、私の冗談に笑顔で答えていました。
「元気そうだね」
「元気よ、大丈夫」
「またうちに帰れるね」
「うん。手を取り合って帰ろうね」
と妹にいい、
「じゃあ。また来るね。元気でいてね」
「お互いにね」
と私の顔を見て言っていました。
病床の母と合計で三回も会うことができたのは、このコロナ禍の中での最高の贈り物でした。母の返す返すあっぱれな裏技に、驚いたり、頷いたりして感謝しています。
葬儀も無事終わり、あとは、聞きつけた方達の訪問と、死に伴う厄介な諸々の書類整理に追われる日々になると思います。
葬儀を支えでくださった皆様に心からの感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
合掌