固有名詞の限界

2022年10月10日

人間一人で生きてゆくことはできないですから社会生活を営みます。その社会生活にはいつも問題が山積みしています。犬も歩けば棒に当たるではなく、人間が三人いるとそこにはしっかり問題が生じるようです。

そこで問題解決のために会議のようなことをするわけですが、そこでいつも気になるのが問題が起こった時に、「何々さんが」という具合に固有名詞にかこつけて問題を提示することです。誰かのせいにすると言ってもいいかもしれません。私が困ったものだと考えるのは、その固有名詞が大事なのか、それとも出てきていると問題を解決する方が大事なのかがわからない時です。問題解決ではなく、固有名詞で喧嘩しているような状況にも度々出くわしています。本末転倒です。

少人数の小さな集まりでもそうですが、世界情勢を見ていても、「誰々が」というのが主流で、問題解決の本質的な話はされないのです。あるいは問題の核心を隠すためにわざわざ固有名詞を振り回しているのではないかと思うこともあります。問題の核心を明らかにしないと、ダメだと言いたいのです。核心は円の中心です。そしていつもしつこく登場する固有名詞は円周に例えられますから、固有名詞で討論している間は円周をぐるぐる回っているだけで、問題の核心には辿り着かないことがほとんどなのです。

日本だけの問題ではなく、私がドイツで経験したことでもあるので、多分人間の性と言ってもいいのかもしれません。しかしここのところをクリアーしないと、問題はある人物になすりつけられるだけで、解決ではないですから、またしばらくすると別の固有名詞を使ってその問題は噴き出してきます。

 

ではどうやったら固有名詞ではない討論ができるようになるのかということですが、そこに数学的なセンスが大いに役立つのです。数学的に整理するということです。数学なんて大袈裟なことを言わなくて小学校高学年の算数レベルでも十分なのですが、固有名詞を脱却するには数学的な整理の仕方を身につけることをお勧めします。

 

 

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