クレプトマニア

2022年12月15日

クレプトマニアは窃盗癖と呼ばれるものです。普通は癖として扱われているので病気ではないのですが、実際には病的な現象です。私は深刻な病気だと思っています。

いわゆる盗みを働くのですから刑事的にも犯罪になるのですが、当の本人は捕まっても何食わぬ顔をしています。癖なのでついやってしまうのです。盗むきがないのに盗んでしまうのです。しかし捕まれば現行犯ということになり、現実的には刑務所に送られるかもしれません。

ところが盗みの動機が無茶苦茶なのです。どんな人がクレプトマニアかというと、お金持ちの有閑マダムとか、裕福な家庭の子どもなどですから、盗むものは切羽詰まったものではなく、経済的な理由で盗みを働くのではなく、盗むことが目的なのでゲーム感覚でやっているのです。ですから罪悪感などはないのです。非常にたちの悪い輩です。

シュタイナーは治癒教育講座の中でこのクレプトマニア、盗癖に言及していて、驚くほど本質をうがっているので紹介します。

知力の副産物の様な言い方をしています。ある人が知漬け、頭で考えただけが世界だと思うようになってしまうとこの状態になると言うのです。指の先まで知的なもので疼いている人だと言うのです。

今の世の中は教育を施してお利口さんを作ることに専念しているので、しっかり教育を受けるとみんながお利口さんになってしまって、社会にはクレプトマニア、盗癖を持った人が量産されている様な気がします。今の教育を別の観点から見ればクレプトマニア、盗癖を一生懸命作っていると言うことにもなりかねないのです。

しかし一般的にはたくさんお利口な人が出て、その人たちがしっかり社会を支えてゆけば社会はどんどん良くなる様に思っているです。みんながお利口さんになれば良いのだと言うのです。しかしシュタイナーは違う見方をしていました。みんながお利口さんになれば社会は嘘つきと泥棒だらけになるのです。良い社会どころか、全く悲惨な社会になってしまうのです。今の社会はまるでそんなことがもう始まっているかの様な有様です。

例えば今の世の中はお金持ちが一番お金を欲しがっている人たちに見えます。とんでもないお金持ちがもっともっとお金が欲しくて仕方がない様なのです。そして盗みのようなことを平気でして私服を肥やしています。嘘も平気で吐いて世の中を混乱させています。

私にはこれは典型的なクレプトマニアの世界なのです。そうしたお金持ちは大抵はお利口さんの中でも超お利口さんの部類に入る人たちです。もちろんお金持ちになるには頭が良いとか、超一流の大学を出ているとかだけではなれないものです。運がなければダメなのです。ある意味では偶然のこともあるのですが、それにして、お金儲けのための悪知恵は人一倍働きそのために嘘を吐く人たちです。

しかし大事な点は、これは盗癖なのであって、お金持ちになりたいというのが目的ではないのです。盗むことが快感なのですから悪質です。当の本人にしてみるとゲームにすぎないもので、盗みがうまくいった段階でそのゲームは終了して次のゲームを探するのです。今度はどこに盗みに入るかなとニタニタして次のゲームを探しているのです。

 

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