話術の秘密 - 話しの渦

2012年11月30日

The speech would be at work to move the audience especially through the word getting the magical power. Teh word would not only explain the thing, but have even the ability to make one the another dimention of person.

 

Die Redekunst gehört zu einer besonderen Kunst, die durch Worte des Redneres in die Tiefe des Zuhöreres hineinwirkt, ferner kann die Seele des Zuhöreres durch das Wirken der Worte ungewandel werden. Denn das Wort trägt nicht nur die Bedeutung, die die Sache erklärt, sondern viel mehr hat es die Funktion, die Menschen zu einer Tat anzuregen.

 

ドイツに帰る飛行機の中で昨年亡くなられた立川談志さんの落語を聞きました。立川談志さんの落語は随分聞いてませんでしたから久しぶりに彼の話術に聞き惚れてしまいました。

立川談志は落語界のイチローでしょうか。極めてとっつきの悪い印象がありますが、この手の人ほど実際に付きあってみると居心地のいい人はいないかもしれません。私の短い人生経験からですが、人思いで、人情味があって気配りがあるのです。

 

立川談志さんの語り口には渦があります。見事な渦ですから知らないうちに引き込まれてしまいます。どうしたらこんなすごい渦ができるのかと考えながら聞いていましたが、渦に巻き込まれてしまいました。話しが終わってぼんやりと余韻に浸っている時に答えらしいものが降りて来ました。答は簡単でした。知性のなせる業です。

彼の話しには脱線がつきもので、彼はそれをアドリブという言い方でとぼけていますが、とても緻密な世界です。極めて高度なものですからまねようとしてできるものではありません。直観的計算力、あるいは天才的直観による計算力のなせる業です。信じられない方は試しにやってみてはいかがですか。結果は見えています。なまじの計算力では話しがでたらめになるだけです。

日本は古くから言霊(ことだま)のことを取り上げますが最近は言葉といえばもっぱら意味です。言葉は意味を正しく使うものです。何を言っているのかということが大切です。私が時々関わっている難しい会などではしばしば意味だけの言葉が飛び交うことがあります。確かに正しい意味で使っているのでしょう。しかし意味のあることを羅列しても話しに渦は生まれません。全く逆でしらけるだけです。当然会もしらけてしまいます。

 

意味というのは時には思いこみでもあります。話している本人の使っている意味はとても主観的なもので、一般の人が必ずしも解っているとは限らないのです。しかし話しに渦が作れれば人は聞いてくれるものです。ですから噺家さんの様に講演かでできたらと思うことがあります。聞いている人を話しの渦の中に巻き込んでしまうのです。そうなれば何を話してもいいということになります。聞いている方たちは話しの渦の中で気持ちよくしていらっしゃるだろうし、そこでは理性的な判断力よりも、渦の進路の正確さの方が大切だからです。意味の正確さではなく、話しの流れの正確さが問われるのでしよう。しかし、それはとても高度なテクニックを必要とするものに違いありません。

話しの進路を自由に作れるようになるためには立川談志さんのいうアドリブを使いこなせないとだめだと思います。意味で話しをしていると、意味が勝手な主張をしますから、それに振り回されてしまい、なんとなく辻褄の合った中にお行儀よく収まってしまいます。そうなると聞いていらっしゃる方の方からアクビ攻勢か居眠り攻勢がやって来ます。

芝居のことを戯曲と言います。つまり芝居の筋の流れを問うと言うことです。音曲という言葉もあります。音の流れでしょうか。落語は話曲と言っていいものでしょう。もちろん講演も話曲であってほしいと願っています。音楽の様に話せたら、そんなことを考えていました。

 

 

 

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